2006/04/20 (Thu)
 
県立美術館 『パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 時代に先駆けた女性画家』 という展覧会。
パウラさんの画業を振り返る展示と パウラさんのおともだちの作品の展示。
パウラさんの絵は 赤ちゃんや少女や老女 人物を描いたものが圧倒的に多く
静物画や風景画が幾点かあり それから 自画像が 幾点もあった。
頬に左手を添えている自画像は モノタイプの作品で おなじようなものが2枚 ならべて掲げられていたのだったが
いちまいは新聞紙に刷られていて いちまいは罫線のある紙に刷られていた。紙がおもしろくて じろじろみた。
部屋の中を描いた作品は なにかの切れ端なのか 故意に切られたものなのか
四角くない紙 ―4辺のうち2辺がまっすぐでなく歪んだ曲線である紙― に描かれていて
これも紙がおもしろくて じろじろみた。
どんな紙にだって絵は描ける それってすごく素敵なことだなあとおもう。
ましてや このように額に入れられて 後世多くのひとに観てもらえるのなら なおのこと。
パンフレットにも載っている 『眠る子ども』 というタイトルの 赤ちゃんを描いた作品は
ひときわあたたかみに溢れていて いい絵だった。
ちかくに住むおともだちや おともだちの4歳の娘といっしょに共同制作された
『自然の中の愛の生活』 という絵も よかった。
ご近所に 画家や彫刻家があつまっていて 芸術村が形成されていたのだそうだ。
クララ・リルケ・ヴェストホフというひとの彫った 『パウラ・ モーダーゾーン=ベッカーの肖像』 という彫刻が
飾られていたのだったが このクララさんというひとは 詩人リルケの妻だった。
詩人のリルケも 仲の良い友人のひとりで パウラさんはリルケの肖像画を描いていたし
リルケは パウラさんの死を悼んで 『ある女友だちのための 鎮魂歌』 という詩を書いたという。
パウラさんの年表をみたら 31歳の若さで 娘を出産して3週間で 亡くなっていた。
画家として さらなる飛躍をしようと 頑張っていた時期のようだった。
もっと生きたら もっとたくさんの絵を 描けたのに。

パウラさんのおともだちの作品のなかで とりわけ見応えがあったのが ハインリヒ・フォーゲラーさんの作品。
たいへんこまかく描かれた 版画の作品たちに 釘付けになった。
どことなくあたたかみが感じられ なんとなく可愛らしく ずっと見蕩れちゃうようなおもしろみがあった。

帰り際 ミュージアムショップで ポストカードを 3枚買った。

★ パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 『眠る子ども』
★ パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 『子どもの腕に抱かれた猫』
★ 共同制作 『自然の中の愛の生活』
(パウラ・モーダーゾーン=ベッカー オットー・モーダーゾーン ハインリヒ・フォーゲラー カール・ヴァイデマイヤー ミーケ・フォーゲラー)
2006/04/23 (Sun)
 
4月になってからというもの 大掃除にかかりきりだった。
世間での大掃除の時期 おおむね暮れ頃は 毎年 多忙を極めるものだから
毎年 大掃除という行事を スルーしていて お部屋には 要らないものが溢れていた。
まいにちまいにち 要らないものを 片っ端からごみ袋に詰め込んでいた。
じゅうなんねんぶりのおおそうじは たっぷり半月かかった。
お部屋は ずいぶん すっきりと片付いた。

それから まいにち ハトの観察をおこなうことも 忘れなかった。
我が家のちいさなちいさな樹の茂み 庭とも呼べないほどの狭い一角に
今年もまたハトはやってきて 今年もまた巣をつくった。
日々 写真を撮ったりして ヒナがうまれて成長するようすを見守っていたのだったが
今朝 起きてみると 巣に異変が起きていた。
もうずいぶん成長して ひよこ色からハトの色に変貌していたヒナの姿が無く
巣には羽が散らばっており 巣の上のほうにも羽が散らばっていた。
現場の状況から察するに おそらく カラスに食べられちゃったんだろうとおもわれた。
ひどく落胆し かなしい気持ちにもなったが こればっかりはしかたがない。
カラスだって おなかがすくものねえ。自然って 厳しいねえ。

→ハトにっき 2006 春