家の前の　しろい梅の　まあるい蕾が　ひとつ　ふたつ　ひらきはじめた。
去年は　2月25日ごろ　開花を確認したんだったので
今年は去年よりもすこしさむかったのかもしれないなあ　などと　おもう。

近所の犬と　なかよくなった。
あそびにいくと　立ち上がって　塀のうえに顔をだす。
おおきな黒い犬　なまえはしらない。
たいへん甘えたようすで　チュウをしてくれたり　ふたつの前足で　わたしの手をつかまえたりする。
帰ろうとすると　うぉん　うぉん　と啼くので　なかなかその場を離れがたい。

先行予約も　一般発売も　店頭発売も　悉く売り切れで
チケットを手に入れることが叶わなかった　GOING UNDER GROUNDのライヴ
たしか今日だったなあと　ぼんやり思い出した夕刻　耳に捻じ込んだイヤフォンから　素生くんの歌声。

目が覚めてみると　家族の誰も彼も出掛けていて　家のなかにひとりきり
おそい朝ごはんのいろいろを温めるため　台所へゆくと　電子レンジが　真新しいものになっていた。
昨日までそこにあった　いままで使っていたものは　異常な音がするとともに温まらなくなってしまって
それはつい昨日のことだったのに　眠っているうちに新品になっていたので　すこしおどろいた。
扉が　いままでとはちがうふうに開いた。右から左ではなく　上から下に開いたのだった。
あとで聞いたところによると　さいきんの電子レンジというのは　そのように開くものがおおいらしい。
説明書をみるまでもなく　あたためスタートと書いてある　まるい金色ぽいボタンを押せばよいことがわかり
押してみると　温まりはじめたのだけど　なかの皿がくるくる廻らないので　すこしおどろいた。
さいきんの電子レンジというのは　ターンテーブルなぞ無くて　くるくる廻ったりしないものらしい。
皿はじっとしているのに　みるみる湯気がでているようすで　みるみる温まった。
温め終わると　間の抜けた　携帯の着信音と聞き間違えるような　控えめな電子音がするのだった。

まんまるいオレンジいろの満月のよこに　まるで寄り添うように　きらり輝く星ひとつ
めがねをかけていない　ごくよわい視力の　はだかの瞳にも映るほどのあかるい星で
犬の散歩のあいだじゅう　気になって幾度も見上げた。
いんたねっとを　ちらりちらり見ていたら　それは木星なのだとわかった。
さらに木星についてお勉強していると　木星とゆうのはガスのかたまりなのだとわかった。
ガスのかたまりがひとつの星をかたどっている不思議や　太陽のひかりをうけて輝いてみえることの不思議について
考えれば考えるほど不思議なことで　気になって眠るのも忘れた。

ウグイスの声を　聞いた。それから　カッコウの声。
カッコウの声？　と　訝しくおもう。
あれは　夏の到来を報せる鳥だ。いまの時分に鳴く筈は無い。
声のする方角を仰ぐと　電線に　カラスが一羽　止まってる。
じっとみていたら　カラスが　ウグイスの声で　鳴いた。
ウグイスの声も　カッコウの声も　ほんものみたいにまねっこできるカラスなのだった。
鳴きまねは大層上手かったが　鳴いてもよい季節まではおぼえられないらしかった。