2003/12/01 (Mon)
 
来週のいまごろは いまよりもっと 良くなっているのかもしれない と 考えてみる。
そうして1週間を遣り過ごしてみて 果たしてその日がやってきたときに
あんまり情況が変わっているようには思えないのだったし 寧ろ以前よりも悪くなっている気さえするのだった。
相変わらずの 愚かさを 只 繰り返しているだけの日々なのだったが それでもまた
来週のいまごろは いまよりもっと 良くなっているのかもしれない と 考えてみる。
2003/12/02 (Tue)
 
からだの毛を剃り整えるときに 剃刀を間違った方向に引いてしまうという失態は 度々やってしまう。
腕の外側に 幾本かのあかい線が走る。鮮やかないろの 血が滲む。
からだを故意に傷つけて こころの平安を保つひとたちの気持ちが わかる。
滲む赤と鈍い痛みは この躰がいま此処に在って生きているのだということを 明確にしてくれているようで。
2003/12/04 (Thu)
 
シートに深く腰掛けて 俯いている。電車の床に 鍵がひとつ落ちている。
ちょうど視界にはいった 錆びた鍵 形状から 自転車の鍵だとわかる。
落としたひとは困ってるだろうなあ とおもって すぐに鍵のことは忘れた。
鍵は そのままそこに落ちていたから 浅草あたりまで 旅をしたのかもしれない。
2003/12/15 (Mon)
 
つめたい 夜がすき。
ひんやり冷えた風が吹くなかを 犬を連れて歩く。
穴だらけの耳朶が 凍えて痛むけれど くるくる巻いたマフラーに潜って
シリウスが輝く星空を見上げながら 夜のなかを 歩き続ける。

歩き続ける。
2003/12/16 (Tue)
 
22:28ごろ みたことも無い ひかり。
それは ほんのひととき 衝撃的な できごと。
北の方角 星が瞬く夜空に あかるくみどりいろに輝くとてもおおきな光のカタマリが あらわれて流れて消えた。
その場に立ち尽くしてしまうような 息を止めてしまうような 鼓動がすこしはやくなるような
鮮やかな 眩さ。一瞬の 煌き。焼き付いた 残像。
いまのは何だったんだろう? と 考えてみたのだけれど 適当な答えが さっぱり思い浮かばないのだった。
2003/12/23 (Tue)
 
カフェスタイルのエプロンの おへそのところの蝶々結びを 時折 結び直す。
お座敷のファンヒーターの デジタルの数字が 22℃を示し
お座敷じゃないほうのファンヒーターの  デジタルの数字が 19℃を示し 両方とも 一旦 スイッチを切る。
お座敷じゃないほうのファンヒーターを停止させると きまって2〜3℃上がるので 停止させたほうが暖かくなる。
あたたかい店内を 走り回る。きょうは とても あたたかい。
5000膳の割り箸のはいった おおきなダンボールを 2階から1階に運ぶ作業は 腰にくる。
おしごとが終わって 部屋に戻る。部屋の空気は とても つめたい。
妹たちが帰って来るまで ひとりきりなので ファンヒーターをつけるのは 贅沢なことのような気がして 躊躇う。
毛布にくるまって すこし震えてる。