2004/09/02 (Thu)
 
東京渋谷 本屋さんのギャラリーで Coccoの展覧会。
まずは 入り口のところの 自画像に圧倒された。
緻密に描かれた絵の ひとつひとつを ゆっくりとみてまわる。
特別販売の 絵本+CDセットを 手に入れた。
ポストカードも 2枚買った。
人魚の絵と ちょうちょがたくさんとんでいる絵。
出口のところに Cocco直筆のメッセージ。
きょうは沖縄で 唄っているんだって。

Cafe Maduで ランチ。
道路に面した席で外を眺めながら オリーブオイルがはいりすぎているスパゲッティー。

電車に乗って 品川で降りて 原美術館 奈良美智の展覧会。
だいすきな絵の ほんものが目の前にあることに ひどく興奮した。
『深い深い水たまり』も 『The Longest Night』も  『Harmless Kitty』も あるのだった。
こころのなかで 叫び声をあげながら みてまわる。
『Fountain of Life』という作品のまえでは  物悲しいきもちにつつまれた。
コーヒーカップのなかで 子羊のようなこどものようなものたちが
スポットライト浴びながら ずっと涙を流しつづけているので
心臓がきゅうっと締めつけられるような想いで しばし呆然と 立ち尽くすほかなかったのだった。

美術館のカフェで ひとやすみ。
奈良美智さんの作品をイメージした イメージケーキは
ケーキじゃなくて 白玉ぜんざいだったのだけれど
器がとても奈良美智さんぽいなあとおもって 感心しながらおいしくいただいた。
2004/09/11 (Sat)
 
電車を2回ほど乗り換えて 大宮駅に辿り着いたのは 夜の9時過ぎのことだった。
おおきな駅で 着いてすぐに迷子のような気分になり 電話をかけた。
電話の向こう側のひとが 『なにがみえる?』 などと訊いてくれたので
ぽつりぽつりと目にみえているものを伝えたところ 程なく目の前にあらわれたのだった。

ひとと会うのは ほんとうにひさしぶりのことだったのだけれど あんまり緊張していなかった。
わりとリラックスしておはなし出来たようにおもう。うまく話せなかったようにもおもう。

大宮駅には まめの木というのがあった。その名前から想像していたのとは ちょっと違った。
ぎんいろで ぴかぴかしていて くねくねしている。ジャックは どこにもいないようすだった。
駅前には リスがいた。生きているのじゃあなくて 銅像のリス。
はじめての街を きょろきょろと見回しながら 歩き回る。とても賑やかな 夜の街。

モスバーガーに行ったり 街をふらふらとたんけんしたり。
和民に行って 食べたり飲んだり おはなししたり眠りそうになったり。
三種のフローズンベリーカクテルだとか クッキー&アイスクリームのカクテルだとか。
茄子の浅漬だとか 海老マヨサラダだとか 薬みたいな味のするウニののった軍艦巻だとか。
たどたどしい日本語の店員さんや 陽気に英語で受け答えする隣の席のおじさん。

漫画喫茶は ちいさな部屋がたくさんあって ふかふかのソファがあった。
いんたねっとしたり テレビみたり 暇を持て余したり ひそひそ喋ったり。
壁を這う ちいさな茶色いおぞましい虫の動きを こわごわ見守ったり。
コーヒー飲んだり ソファに凭れてならんでぼんやりしてみたり。

駅のたてものと通路のあいだの隙間からみえる空が だんだんあかるくなっていくのを見上げた。
タクシーがたくさん停まっていて 駅のまえでぐっすり寝ているひとたちがいた。
朝がやってくる時間の街を お散歩した。すずしい風が吹いていて 心地良かった。
大宮ソニックシティのしろいたてものや 未来的なデザインの歩道橋。
ムクドリらしき鳥がたくさん止まっている樹々や やかましい鳴き声。
飛び交うカラスや 呼びかけてもちっとも来てくれないハト。

帰りの電車は 眠気との闘いだった。
乗り換えを忘れそうになってあぶないところだったけれど どうにかこうにか宇都宮に帰ってきた。
すこし眠ったあと 眠っていてもできるようなかんたんなおしごとをやっつけて またすこし眠った。
2004/09/15 (Wed)
 
朝がやってきてから眠って 二度寝三度寝して ちゃんと起きあがったのは1時くらいで
ぼんやりしたり いんたねっとしたりしていたら すぐに3時くらいになり おなかが空いたので
ブルーベリーがふんだんに練りこまれたベーグルに ポテトサラダをたくさんはさんで いただいた。
それからまた いんたねっとしたり 音楽聴いたり。ここんとこずっと 岡村靖幸 『Me imi』。
折りたたみ自転車に乗って 獣医さんにでかけた。フィラリアのお薬を 貰うため。
3匹分6300円を支払うと いつでも 『おだいじに』 と云って送り出されるのだったが
『おだいじに』 は 何度聞いても微妙な違和感。うちの犬は すこぶる元気。
ふらふらと ドラッグストアや スーパーへ。別冊マーガレットは 『恋愛カタログ』 だけ 立ち読んだ。
たいへんなことになっている。笹錦さんが たいへんなことになっている。来月号も 読まなくちゃあ。
ゆるゆると 日が暮れる。自転車を漕いでいると 七分袖のうでに 風はすこしつめたい。
家に着いたら たいへんおなかが空いていたので ポテトチップス一袋。ぜんぶ 食べちゃった。
そのあと 夜ごはんも食べちゃった。かにクリームコロッケが おいしかった。かにの爪付きの。ふたつ 食べちゃった。
2004/09/16 (Thu)
 
小島麻由美 『パブロの恋人』 を 聴きながら 街をふらつく。
なんて色気のある声なんだろうか などと おもいつつ。
また バイト帰りの妹と ばったり会った。妹がバイトしているビルのなかだったから 無理も無い。
無言で近づいてきた妹は わたしの目の前で立ち止まり 無言のまま
スタバのクリエイトタンブラーから おいしそうにコーヒーを啜ってみせる。
耳に捻じ込んでいた イヤホンを外して ほんのすこし 立ち話。
『今来たところ』 だとか 『今バイトおわったところ』 だとか 『あの雑貨屋さん何時までだっけ?』 だとか。
『起き抜けに明太子スパゲッティーをつくったのだけれどガスの元栓をちゃんと閉めてきたかどうか自信が無い』
という話をして いささか呆れられたのち 別れた。
耳にイヤホンを捻じ込み直し 歩き出す。
2004/09/23 (Thu)
 
目覚めてみると 妹が からだを とても痒がっているところだった。
みせてもらったら 腕や足が ところどころあかく腫れあがっていて それは じんましんのようにみえた。
一緒に温泉にでかける予定でいたのだけれど 中止になった。
以前にも こんなことがあったのを 思い出す。去年の 8月20日のできごと。
あの日も 今日とおなじ 奥日光にある温泉に行こうと企んでいたんだったのに
目覚めてみると 妹が 廊下で倒れていたんだった。
『きっとあの温泉に呪われているんだね』 なんて云いながら いんたねっとで 祝日でも診てくれる病院を探した。
市の診療所だけは おやすみじゃないことが判ったので 行ってみることになり わたしも付き添った。
妹自らの運転で向かったのだったが 9時からの診療時間に一番乗りしたいらしく ひどくスピードを出していて
赤信号でも止まらないので ほかの車にぶつかりそうだった。
『むこうがよけてくれるからへいきよ!』 などというので 助手席で震えていなければならなかった。
命からがら 診療所に到着した。一番乗りではなかった。

診療所は けっこう混んでいた。うまれたての赤ちゃんや ちいさなこどもや おじさんやおばさん。
付き添いのわたしは ずいぶんながい時間 ソファに座ってぼんやりしていた。
薬剤師のおばさんは とても丁寧な説明で わかりやすかった。
やはり じんましんだったようすで お薬は 塗り薬と 飲み薬 一種類ずつ。
『飲み薬は 飲むととても眠くなるので 飲んだら車の運転はしないでくださいね。
車で来ているのだったら おうちのひとに迎えに来てもらったら?』

こんなとき わたしが車の運転をできたなら と ちょっとだけおもった。
でも わたしにそのようなことが無理なのも よくわかっているのだった。
妹は 貰った薬をすぐには飲まなかったばかりか
『まっすぐおうちに帰ってお薬飲んで眠ったほうが良いのでは?』 という
再三の提案にも全く耳を貸さず 運転を続けて あちこち寄り道した。
おおきなショッピングセンターだとか ユニクロだとか。

とちゅう スタバで ひとやすみ。タンブラーを購入したので さいしょの一杯無料になる権利を さっそく行使した。
バニラクリームフラペチーノは 溶けちゃったソフトクリームというかんじで 甘ったるい。

おひるごはんは ふるびた田舎道沿いにある オーガニックカフェで。
じゃがいもかなにかのつめたいスープ やさしい味のする豆乳のドレッシングのサラダ
じゃがいもとなすのトマトソースのスパゲッティー ミルクをたっぷりいれたあたたかいコーヒー。
道路に面した窓辺のカウンター席 目の前には 鉢植えの多肉植物がいくつも並んでいた。
店内は わりと かわいらしいかんじ。とりわけ 洗面所のかわいらしさといったら。
おおきな鏡には まるいちいさな鏡が何個か貼ってあり ほそい鏡もすこし貼ってあり
よくみるとそれはブドウを模していたり 洗面台のなかに黄色いちいさいアヒルが何羽もいたり。

家に帰ってきたのは15時過ぎのことで ようやっとお薬を飲んだ妹は やがてすやすやと寝息をたてた。
わたしは 買ってきたタンブラーを 完成させることにした。じぶんでデザインをどうにかできるものを 買ったのだった。
千代紙を 幾枚か使った。ちょうちょ柄のものや 花や草が描かれているもの。
タンブラーの内側にも 千代紙を敷きつめて なかなかの力作。はやく使ってみたくおもう。

冷蔵庫には お土産に買った とてもおいしいケーキ屋さんの ブルーベリーレアチーズケーキが冷えていた。
よるごはんのあとで それをいただいた。あまくて しょっぱい レアチーズ。