2005/07/05 (Tue)
 
おしごとを終えて 部屋に戻ってみると 止めてあった扇風機がくるくるまわっていて
扇風機の真ん前の ちょうど風の当たるところで
しろい毛むくじゃらの犬が 気持ち良さそうにまどろんでいる。
うちの犬ったら かってに扇風機をつけて 眠るのだ。
わたしの居ないときには 2本足であるいたりしているんじゃあないかしら。
『暑くてやってらんないぜ』 なんて 人間のことばをしゃべったりしながら
扇風機のスイッチを ぱちんと押しているのだろう。
そのようなことを空想してみる 暑い暑い昼下がり。
2005/07/19 (Tue)
 
車のCMで 『りっちゅうもおっけー』 というようなナレーションの入るものがある。
画面に文字が出てきたので 『立駐もオッケー』 という意味なのだとわかった。
恥ずかしながら 『立駐』 という言葉を はじめて耳にした。
『立体駐車場って云えばいいのにねえ なんでも略せばいいってもんじゃないよねえ』
と いっしょにテレビをみていた妹に いささか憤慨しながら訴えると
『100円パーキングは ひゃくぱーって云うんだよ』 と おしえてくれた。
へんなの。ジュースみたい。
2005/07/21 (Thu)
 
ちいさなプレイヤーに たくさんの音楽をつめこんででかけるということの 快適さを知った。
おきにいりの曲がつぎつぎとながれてたのしいので 遠回りなどしてみる。
住宅街のあちこちには 夏の花が咲いていて 歩きまわるのもたのしい。
夾竹桃(きょうちくとう)や 木槿(むくげ)や 梔子(くちなし)が 咲き誇っている。
オレンジいろの凌霄花(のうぜんかずら)の角で 『やけっぱちのドンチャラミー』 がかかって
軽快なリズムのその曲が想起させるいろいろに うっかり涙ぐみそうになる。

モスバーガーの ガラス張りの店内は やけに空いていた。
ほかに食事をしているひとは 向かいのテーブルの わかい男女だけだ。
ふたりは 傍からみると 言い争っているようにもみえるが 喧嘩をしているわけではないようすだった。
言葉遣いのわるい おおきな声のふたりは なにかについて熱心に話し合っている。
入り口ちかくでテイクアウトの品物を待っている もうひと組の男女がいて チマチョゴリがどうとか云っている。
2組の男女は さっきから どうだっていいような話をしている。
わたしは さっきから 蛙を数えている。
店のそとは すっかり日が暮れて 夜が訪れていた。
暗いそとと あかるい光に満ちた店内を 隔てているガラスに
どこからやってきたものか 蛙が 何匹も貼りついているのだった。
こちらにおなかをみせている蛙たちを ぼんやりみている。
ちいさな ちいさな あまがえる。

ぼんやりしていたら モスバーガーを出たところで ちょっとした失敗をした。
音楽を聴こうと バッグからイヤホンを繰り出したら ちいさなプレイヤーごと 勢いよくとびだしてしまった。
買ったばかりのプレイヤーは 勢いのあまり アスファルトの地面に叩きつけられ 傷だらけになった。
傷だらけというほどでもないのかもしれないが それはとても悲惨なようすにおもえた。
てのひらのなかのちいさなプレイヤーは それでも割れたりこわれたりせずに つぎつぎと音楽を流しつづける。

案外 丈夫にできている。
2005/07/22 (Fri)
 
3匹の犬を連れてあるいていたら 小学生が かわいいかわいい云いながら 犬たちを 撫ぜまわしてくれた。
小学校2年生か3年生くらいのおおきさの おんなのこ ふたり。
ひとりはみのりちゃんという名前で もうひとりの子の名前はわからなかった。
ふたりともビニールの手提げバッグを持っていて それはプールバッグのようにもみえたので
『プールに行くの?』 と尋ねると 『きょうはサマースクールだった』 というお答え。
小学校のほうから歩いてきたから サマースクールとは 小学校でおこなわれるもののようだった。
わたしが小学校の時分には (それはずいぶんおおむかしのことだが)
夏休みにそのようなものがおこなわれることは無かったので
いったいどういうものなのだろうか と 疑問におもったが尋ねる間も無く
彼女たちのほうから いろいろと質問を浴びせられた。
犬の名前だとか 歳だとか 性別だとか どこまで散歩にいくのかだとか。
みのりちゃんはよく喋る女の子で じぶんの家で飼っている犬についておしえてくれた。
パグという種類の犬で その種類にはめずらしく 黒い毛の犬だということや
おかあさん犬だかおとうさん犬だかが チャンピオン犬だということなど。
それから きょうはスイミングの試験があるのだと ひどく憂鬱そうに呟いて
さいごは もうひとりのおともだちを急かすようにして 足早に去っていった。
サマースクールが いったいどういうものなのか わからずじまい。
2005/07/25 (Mon)
 
『残念だなあ』 とおもうまえに 『Peccato!』 という言葉が浮かんできたり
雨をみたら 『雨』 とおもうまえに 『pio`ggia』 とおもったりする。
そのうち イタリア語で夢をみたりするのかも。

NHKのイタリア語会話は わりと忘れずに見続けている。
今週は 『人生に満足していますか?』 という文を習った。
スーパーマーケットの店員や客に 或いは街を行き交う人々に この質問をぶつけてマイクを向けるというVTRをみた。
そんな日常の場面で 突然こんな重大な質問をされたら びっくりしてしまうだろうなあとおもう。
わたしだったら うまく答えられるだろうか。
『Si e No,cosi' cosi'.』 といったところだろうか。
2005/07/27 (Wed)
 
台風が過ぎていったあとの 空のいろは青く青く
その青の青さに 夏をかんじる。

調理場は いよいよ暑い。
湯気がたちこめ 暑いというか 熱い。
40℃にも50℃にもかんじられるが 温度計が示す数字は 30℃にも足りない。
温度計 こわれているのかもしれない。
2005/7/28 (Thu)
 
ふるい木造の我が家は 地震のたびに 大げさにゆらんゆらん揺れる。
19時過ぎに発生した地震は 震度3とか4とか その程度のものであったが
家がこわれちゃうのかもしれない などとおもうほどに ながくおおきく揺れつづけ
揺れがおさまると ガスの供給が 完全に止まっていた。

ガスのメーターと プロパンガスの販売店とは 電話回線でつながれており
ガスが止まると 販売店に すぐさま連絡がいくしくみになっていて 状況を尋ねる電話がかかってきた。
どうにも復旧しない旨を伝えると 瞬く間に駆けつけてくれて 点検と機器の交換作業がはじまり
待つこと2時間 見事に直って ふたたびガスが使えるようになった。

よるごはんをいただいたり お風呂に入ったりできる ということのしあわせ。